狼瘡(ループス)と露光
狼瘡(ループス)患者において、なぜ特に日除けが大切なのか、日光がどのようにしてループスの症状を引き起こすのかを考え、過敏な皮膚を守る際のヒントを得る。
狼瘡(ループス)患者において、なぜ特に日除けが大切なのか、日光がどのようにしてループスの症状を引き起こすのかを考え、過敏な皮膚を守る際のヒントを得る。
ループス患者の多くは、太陽の光に皮膚が敏感な光線過敏症を抱えている。ループスの特異な皮膚発疹には、鼻や頬に見られる蝶型のものや、日光に当たった箇所に現れる、盛り上がってカサカサした円盤状のものがある。これらの発疹は、露光によって引き起こされ、ループス患者の50~75パーセントに見られる。
光線過敏症は、全身性紅斑性狼瘡の一般的な症状だ。紫外線にはUVA、UVB、UVCという3つの波長があるが、ループス患者は特にUVAとUVB光線に敏感だ、とデトロイトのヘンリーフォード病院所属リウマチ学者のアミタ ビシュノイ医学博士は語る。
日光に過敏な皮膚に紫外線が当たったら?
紫外線は目に見えない太陽の光線で、ビシュノイ博士によると、太陽光線が狼瘡(ループス)発疹、また、関節の痛みや疲労の症状を引き起こす事がある。ループスという病気には、静かな期間と活発な「フレア」と呼ばれる炎症期間があり、患者の多くは日光に当たり過ぎるとフレアを体験する。
ループスの原因は専門家にもはっきり分かっていないが、一部は遺伝、一部は異常な過剰免疫反応を引き起こす環境への露出によるものと考えられている。ループスにおいては、免疫システムが、自己体内の普通の細胞や組織に対して反応を示すため、自己免疫疾患の一つに指定されている。露光は、ループスの症状を引き起こす原因なのに加えて、病気の環境的主要因の一つではないかとされている。
ループスでは、どのように紫外線が自己免疫反応を刺激するのか?
普通の免疫システムの役割の一つに、古い、あるいは不要な細胞を処分する、というのがある。この自然の細胞死の過程はアポトーシスと呼ばれている。研究によると、皮膚が紫外線に露出されると、たくさんの皮膚細胞が死ぬが、これらが免疫システムの強力な刺激剤となる。
ループスを患う人は、アポトーシスの過程がゆっくりで、死んだ皮膚細胞が長く残留するが、その事によって皮膚が炎症を起こし、ループス発疹となる。日焼けは大量の皮膚細胞死を招き、ループスを持つ人では、皮膚に炎症を引き起こすだけでなく、関節、筋肉、内臓にも影響を及ぼしかねない。
どうしたら紫外線露光から身を守れるか?
長時間の露光は避けたほうが賢明だ。日焼け止めも日焼け止め指数(SPF)が
15かそれ以上、又、UVAとUVB光線を両方遮断するものが最適だ。外に長時間いるなら、つばの広い帽子や長袖シャツ、長ズボン等、保護服を着用する事。又、光線過敏用の薬の中には、かえって光に敏感になるものもあるので注意する様、ビシュノイ氏はアドバイスする。
- 長時間、特に紫外線が最も強い真昼の露光を避ける。雲は紫外線を全て遮断する訳では無い事を忘れずに。
- ほとんどの人が日焼け止めを十分塗らない。SPFの最大効果を引き出すには、毎回最低1オンス(約28グラム)塗る必要がある。最も見落とされる箇所は、背中、首の横、耳の周りである。
- 紫外線を発するのは日光だけとは限らない。蛍光灯やコピー機も紫外線を発するし、日焼けマシンはループス患者にとっては安全ではない。
- テトラサイクリンのような抗生物質は、かえって日光に過敏になるので、新薬を試す前に、医者や薬剤師に光線過敏性について聞くこと。
- 車や家の窓は、UVB波は遮断するがUVA波は通すので、UVAから身を保護するためには、フイルム生地を買って窓を覆う。
狼瘡(ループス)患者のほとんどは光線過敏症で、日光によって皮膚の発疹から内臓の損傷まで起きる可能性がある。そのため、病気を管理する上で露光を避けるのは極めて重要な事だ。どのようにして、太陽の紫外線や、その他の原因で自己免疫反応が引き起こされるかを知っておくのは、大切な事である。日焼け止めは日焼け止め指数(SPF)が最低15のものを十分使い、完全に防御するのが賢明だ。